これまで世界中の様々な都市のギャラリーや美術館にて、個展やグループ展という形で作品の展示を行なってきたChaz。沢山のChazファンがいるこの日本ももちろん例外ではなく、2007年に東京と大阪にて初となる個展が行なわれ、Chaz本人も来日を果たすなど、ストリートアートファンの間で話題を呼んだ。当然、アメリカ国内でも様々な形で展覧会に参加しているChazであるが、特に地元ロサンゼルスでは特別な展示が何度も行なわれてきている。

 2008年にロサンゼルスを代表する美術館LACMA(ロサンゼルス郡立美術館)にて行なわれた『Los Angelenos/Chicano Painters of L.A.』は、アートコレクターである俳優 Cheech MarinCheech & Chong)のコレクションを展示した展覧会で、タイトルの通りメキシコ系アメリカ人のアート作品を展示。Chazはこの展覧会のメインアーティストとして、タイトルロゴも手がけた。

 2011年にMOCA(ロサンゼルス現代美術館)のThe Geffen Contemporary館にて開催された、世界最大規模のストリートアート展『Art In The Streets』でも、Chazは開催地であるロサンゼルスを代表するアーティストして、大きな役割を担った。広い会場内の中でもひときわ開放感あるスペースにて、ChazKeith Haringがペイントした車をバックに巨大なミューラル(壁画)を描き、『Art In The Streets』を象徴する空間を作り上げている。

 Chazの作品はこれまで多数の書籍や雑誌などでも取り上げられてきた。なかでも最も古いのが1975年に発行された、イタリア人フォトグラファーによる写真集『STREET WRITERS』だ。この写真集には地元ハイランドパークにて初期のチョロスタイルで描いていた、20代前半の若きChazの姿が収められている。すでに絶版のために現在は入手困難であるが、グラフィティを扱った最も初期の写真集でもあり、歴史的にも非常に重要な一冊である。

 世界各国の様々な雑誌でもChazの特集が多数組まれてきたが、Chazの作品『Got Green Card』が表紙を飾っている20093月発行のストリートアート専門誌『Juxtapoz』は非常に意義深いものの一つである。

 特集ページ内のChazのポートレートをESTEVAN ORIOLが撮影し、インタビューをTHE SEVENTH LETTERの主要メンバーの一人、SABERが担当。Chazのこれまでの歴史も踏まえた、貴重なインタビューになっている。

 Chazの作品集としては、これまでは2009年発行の『THE ART AND LIFE OF CHAZ BOJORQUEZ』が最も有名であったが、2016年に発行されたばかりの作品集『CHAZ BOJORQUEZ』は、研究書としても実に見応えある。これまでのChazの作品が時代順に細かく紹介されており、有名な作品だけでなく、学生時代に描いた油絵から、様々なコマーシャルワークまで実に幅広く網羅されている。Chazファンはぜひ手に入れて欲しい一冊だ。

 Kiwamu Omae氏による文章を一部改編)

 

 

Sale

Unavailable

Sold Out

Item is added to cart